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Interview

「20年もの間、テイジンと二人三脚で『エコペット』の中綿の実用化に貢献してきた」四国繊維販売が目指す未来とは。


「ふとんファクトリー」という自社ブランドを運営する一方、さまざまな布団メーカーのOEMも手掛けている四国繊維販売株式会社。

一般の消費者にはまだ聞き慣れない社名かもしれないが、国内生産の高品質な商品にこだわり続けながら、日本で生産される布団の20%を生産しているという、布団業界では名の知られた存在だ。

そしてさらに驚くべきことは、この四国繊維販売が20年以上前から「エコペット」を採用しつづけているとともに、「エコペット」を使用した中綿の実用化に大きな役割を担っているということであろう。

リサイクル素材への偏見がまだ強かった90年代から「エコペット」を採用してきたのはなぜなのか。そしてそんな先見の明に長けた会社がこれから目指す未来はどのようなものなのか。

同社の会長を務める、斎藤勤氏に話を聞いた。


– 御社で「エコペット」を使うようになった経緯を教えてください。

一番のきっかけは、テイジンさんから「これからは布団の中綿を『エコペット』で作りたいと思います」というご提案を頂いたことですね。当初はリサイクル素材に対する偏見も強く、クオリティに心配もあったので、工場見学や試作を繰り返しながら、採用できる商品からスタートしました。開発に動き出したのは、平成13年ぐらいでしょうか。そこから徐々にさまざまな製品に展開していき、今ではほとんどの製品の中綿に「エコペット」を使用しています

– 「エコペット」の販売開始から今年で26年。四国繊維販売は20年以上前からその商品化を進めてきたということを考えると、テイジンと二人三脚で「エコペット」の中綿の実用化を進めてきた、といっても過言ではないですね。

はい、そのように思います。

テイジンさんの素材の質が上がったとしても、機械との相性を検証する必要があります。以前と同じような中綿用の綿ができるかどうか、しっかり弾力性が出るかどうか、布団の形にしてたたむとどうなるのか、などの検証を行う必要があったため、我々にお声がけされたのだと思います。

その証拠に、「不具合があった場合には必ず報告してください」と念押しされていましたから。そのように検証を重ね、中綿として商品化していく過程において、四国繊維販売も貢献できたのではないかと自負しています。

– 90年代当時には、リサイクルされた素材を布団に使う、ということに対する偏見なども強くあったかと思います。

当時は何が入ってるかわからない「再生綿」と呼ばれているものも多く流通していましたから、それと混同されることもあったかと思います。しかし、それとは全く比べものにならないほどの高い品質の「エコペット」は、再生過程もトレース可能であるという点が決め手でしたね。

さらに「エコペット」を採用する際には、クオリティコントロールがされているかどうか、すべての過程をオープンにしてくれるかどうか、納得したうえで採用に至りました。今でも「リサイクル製品なのになんでこんな値段なの?」とおっしゃるお客さんもいらっしゃいますが、その偏見を「エコペット」で取り除いていけたらと思っています。

今は、社会全体もエコを重視するようになってきていると感じていますが、当時は、「バージンポリエステルの中綿を継続するのか、それとも環境配慮目線でリサイクル素材を使うのか」というのは非常に大きな選択だったと思います。「バージンポリエステルの方が新品だからいい」というイメージが強かった中で、テイジンさんは「環境のことを考えてリサイクル素材でやります」という選択をしたので、すごいことだと思います。

– 「エコペット」は、帝人の素材と、四国繊維販売の中綿加工という、両者の技術の結晶ですね。環境への配慮はもちろんですが、新しい技術を取り入れていくという姿勢も強かったのでしょうか?

うちの会社は布団業界の中では後発なんです。多くのふとん会社が1920年ごろに創業している一方で、四国繊維販売は1966年創業。そのタイミングで出てきたのがポリエステルでした。多くの会社が真綿や羽毛などの天然素材にこだわってポリエステル中綿を毛嫌いしている中、私達はポリエステルの特徴を生かした商品を開発していきました。

ポリエステルの製品って、さまざまな機能がつけられるんですよ。菌を繁殖させません、素早く乾きます、というように。

– 「エコペット」を使用した御社の商品にも、さまざまな機能が付加されたものがありますね。

「エコペット」の開発初期から携わってきたこともあって、当時としては画期的な抗菌・防臭・防ダニの「マイティトップ」を初期から使用してきましたし、「メガトップ」や「アクフィット2」などは当社も開発に協力しました。「マイティトップ」は現在でも人気の高い、ロングセラーとなっています。

– 新しいものにチャレンジするという社風があるのですね。

本当にそうだと思います。その分、失敗も多いです(笑)。10個やって1個当たる、って感じで。でも、当社に100年の歴史があったら新しい挑戦をあまりしないかもしれませんよね。今でもうちは業界では新参者ですから、新しいものにチャレンジしていきたいと思っています。

– 今回工場も見学させていただいて、倉庫の利用や工場のオペレーションなども合理的に行われているように感じました。合理的な考え方は創業当初からなのでしょうか?

「合理的なオペレーション」と言うとかっこいいですけど、そうせざるを得ない事情もありました。四国繊維販売の創業当時は、一貫工場ではなく、中綿や生糸の工場と協業していました。後に、自社での一貫生産を始めるために得た土地は細長いいびつな形で、その形を活かしながらなんとかやろうとした結果、合理的になっていったということもありますね。そういうことが、先代は得意だったのか、非常によくできていると思います。オペレーションという言葉は知らなかったと思いますが(笑)。

– 実際のところ、天然の羽毛や真綿が「エコペット」よりも優れていると思う点はありますか?

ありますね。天然素材の一番の長所は息をしてくれること。汗を吸って重くなっても乾いたら元に戻るという点において、現状では天然繊維の方が優れています。ですが、劣化もしますし、匂いもつきますし、変色もする、という短所もあります。

– 現段階では、「エコペット」の中綿に呼吸するような機能を付加するのは難しいのでしょうか?

それに近い状態にはなってきていますね。例えば、「サンバーナー」という吸湿発熱繊維は水分を吸って発熱させることもできますし、吸水速乾繊維の「ポリティ」は水を一度溜め込んでバッと放出してくれる。テイジンさんとの共同開発を進めていく中で、ある程度息をしているのと同じようなところまできていると思います。

– 今後「エコペット」をどのように生かしていきたいですか?

今後、寝具の工場で中綿として使われているポリエステルを、ほぼ100パーセント「エコペット」にしていこうと思っています。

また、今後は「ガワ」と呼ばれる表の生地にも「エコペット」を使っていきたいと考えています。アパレルなどでは再生素材も珍しいものではなくなってきていますが、布団の生地に関してはまだまだ納得のいくものができていないように感じています。将来的には、「この布団は中綿もガワもすべて『エコペット』で作っています」って言えるようになるといいですね。

さらなる僕らの願いは、布団の中綿のリサイクルですね。今の日本の制度では、布団って粗大ごみ扱いなんです。回収された布団は、よくて熱回収されるくらいで、非常にもったいない。

リサイクルして生地や中綿に生まれ変わらせる、これが僕らの一番の目標です。

さらに今考えているのは、土に還るような製品ですね。今の社会って、大量にモノを作って売ったり買ったりして成立しているものの、そのバランスが崩れた瞬間に、モノがゴミに変わったりする。その終わり方の一つとして、土に還るという選択肢もあるんじゃないかと思います。

– リサイクルもできるし、土壌分解もできる、という形ですね。

「うちの工場は100%リサイクルされてますよ」とか「ゴミゼロ工場ですよ」と言えるようになるのが夢ですね。僕らだけではできないことですが、テイジンさんと協力しながら、持続可能な社会の実現に貢献できたら、って思っています。