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Interview

久留米絣を取り入れたブランド、CATHRIが惚れ込んだのはECOPET®の「素材感」。その理由について、ディレクターの佐藤幸子さんにお話を聞きました。ポップアップイベントも各地で開催中です。

【久留米絣を取り入れたブランド、CATHRIが惚れ込んだECOPET®の「素材感」と「もったいない」と感じる気持ち】

重要無形文化財である久留米絣を取り入れたブランド、CATHRI。そのディレクターである佐藤幸子さんが、久留米絣と組み合わせるものとしてリネンなどの天然素材とともに選んだのは、繊維屑や生地片などから生まれ変わった(再生された)帝人フロンティアのリサイクルポリエステル繊維ECOPET®だった。

その理由と、ブランドのサステイナビリティに対する思いについて、BEAMS Planetsのディレクターとしての顔も持つ佐藤さんに話を聞いた。


CATHRIを始めるようになった経緯をお教えください。

以前に久留米絣の織元さんの視察をしたこともあって、非常に魅力のある織物だなと思っていたのですが、2019年に久留米絣を後世に残すための事業として、福岡県が公募を行っていたんです。

これは是非参加したいとコンセプトを考えて提出した結果、採用されて。そこからCATHRIとしてのブランドをスタートさせました。2020年3月から1年間は県の援助も受けながら運営していたのですが、たった1年だけでは結果を出すことは難しく、非常にもったいないなと感じて。現在はBEAMSがブランドホルダーとなって独立したブランドの形で運営しています。

どのようにして現在のCATHRIの形へと行き着いたのですか?

当初は年配の織元さん達とお話ししながらコンセプトをすり合わせていくことから始めました。警戒心からか最初のうちは心を開いて頂けなかったのですが、しっかりとこちらの気持ちをお話しして信頼頂くうちに「僕らが考えられることはもうやってしまっているから、思い切って好きにして欲しい」と言って頂くことができて。その言葉で思い切って自分の考えていたコンセプトへと振り切ることができたと思います。

伝統的な素材を使うと素朴な方向性になってしまいがちなのですが、CATHRIは純粋なファッションの素材として、久留米絣を使うという形で考えています。そのため、ネームもハイブランドに使うような生地で作りました。久留米絣は、括りの技法で染め分けた糸を縦糸と横糸で使い分けて色を表現するのが特徴なのですが、このネームも縦糸と横糸を使って藍のグラデーションを出しています。また、「T」の形は縦糸と横糸を表現しています。このグラデーションを出すのが非常に難しく、何度もやり直して現在のものにたどり着きました。
タグの上に施された襟吊りには、久留米絣の端切れを使っています。タグとともに、どのように経年変化していくのかも楽しみですよね。

− 佐藤さんは世界中の様々な文化が表現されたアイテムを取り扱うレーベル、BEAMSPlanetsのディレクターとしての顔もお持ちですが、その経験もこのCATHRIに生きていますか?

私はジュエリーやランジェリー、バッグなどの小物を取り扱うことから始めて、その後Ray BEAMSのディレクターも経験しています。その経験のどれがCATHRIに生きているということはなく、自分が出会った世界中の洋服や民族衣装、そしてメンズ服まで、全ての経験がアイデアソースとなっています。

− 今回ご紹介いただくワンピースも、久留米絣とECOPET®が自然に融合していますよね。

もともとシンプルな洋服が好きなので、CATHRIもベースはとてもシンプル。そこに久留米絣を使って着物や民族衣装のディテールを表現しています。このワンピースのベルトも、着物の帯のディテールを取り入れつつ、後ろ前に結んでいるんです。このポイント使いのアイデアは、アクセサリーやバッグでの経験が生きているのかなとも思いますね。

久留米絣はどこに取り入れてもしっくりと馴染む素材。北欧デザインのようなモダンな柄もあったりするんです。現在は価格の問題もあるためポイントでの使い方が多いのですが、リアルクローズとして浸透させて行くことで、久留米絣を洋服全体に使ったものも作ることができるようになればいいなと思っています。

− CATHRIブランドでECOPET®を採用した理由は?

単純に素材感が気に入った、というのが正直なところです。別の仕事でアロハシャツを作っていたときに、エコロジーな素材を使いたいという話になって。生産管理の担当が「エコといえばTEIJINさんが得意だよね」ということでECOPET®と出会ったんです。その際は総柄プリントのECOPET®を使ったのですが、「無地の素材感もいいな」と思っていて、CATHRIで使うことになったんです。

現在のCATHRIの主な素材は、久留米絣とリネン、リネンデニム、そしてECOPET®。今シーズンは、20型あるうちの3型にECOPET®を採用しています。

− 久留米絣という伝統的なものと、ECOPET®の組み合わせが面白いですよね。

ECOPET®の糸を用い福井県で織り上げ石川県で染めたものを、久留米絣と組み合わせて岐阜県で縫製しています。日本で作られているこのアイテムの視察をしながら旅したい感じですよね(笑)。 今回使用しているECOPET®はペットボトルではなく洋服の端材をリサイクルしているものなのですが、さまざまな洋服の生地が混じり合ってこの質感が生まれたと考えると、非常に興味深いです。

CATHRIに使われているは、どのようにして作っているのでしょうか?

現在は、さまざまな織元さんが作った生地を久留米絣の協会が取りまとめて送ってくれるので、そこからピックアップして使っている形です。現在はそれぞれの織元さんの特徴を勉強している段階なのですが、ゆくゆくはオリジナルをお願いして織って頂けるようになると嬉しいですね。

CATHRIブランドしてのサステイナブルに対する考え方をお聞かせください。

これまで25年間ファッションビジネスに携わりながら、いろいろなことを考えました。かといって、あまりに真面目になりすぎてクリエイティブ性が失われてしまうことは避けたいと思っています。ペットボトルや端材を使っていると同時に質感の優れた、ECOPET®のような素材は非常に魅力的ですよね。

個人的には、サステイナブルももちろん大事ですが、「もったいない」という考え方も大事にして生きたいと思っています。年齢層を問わず男女兼用で着用でき、時代を問わず愛用される洋服を作ることも、物を大切にすることにつながりますよね。ファッションとしてもメンズの方にもワンピースを着てもらいたいこともありますし、CATHRIはユニセックスなサイズ展開を行っています。

こちらのヘッドドレスは、帽子ブランドのデザイナーさんと一緒に作ったものだとか。

帽子のブランド、La maison de Lyllis デザイナーの葛西美歌さんとやりとりして作り上げたもの。こちらは、久留米絣とリネン、ECOPET®で出来ています。小物に関しては、Rattanという藤のアクセサリーブランドや、ジュエリーデザイナーのMASATO INOUEさんなどにお願いして作ることが多いですね。

3月から4月にかけて、伊勢丹などでポップアップストアも行うそうですね。

伊勢丹では、久留米絣の織元で藍染した紐を使い、アーティストによるワークショップも行います。パーソナルエフェクツバッグという小さめの巾着バッグに手刺繍を施したり、佐賀の陶磁器と久留米絣の紐を利用したプラントハンガーを作ったりする予定です。

また、新宿のBEAMS JAPANでは、フィッティングルームのカーテンをECOPET®絣の端材で組み合わせて作成するなど、ECOPET®のことも紹介させて頂きます。

ECOPET®を使用して感じた、今後の可能性をお教えください。

先にもお話しした通り、ECOPET®は「単純にその素材感が気に入った」から使っています。セクシーな艶感で、軽くて着ていても楽。そこにサステイナブルという付加価値があるのがいいですよね。CATHRIは時代を追いかけて多くの型数を展開するようなブランドではないので、おのずと素材というものが重要になってきます。今後も魅力的な素材があれば採用していくことで、日本の技術を洋服に落とし込んでいければと思っています。

【<CATHRI>POP UP SHOP INFORMATION】

2021年3月24日(水)~4月6日(火)
@ビームス 六本木ヒルズ

2021年3月24日(水)~4月6日(火)
@伊勢丹新宿店5F センタ―パーク/ザ・ステージ#5

*下記日程でアーティストとのオーダーイベントも開催

2021年3月27日(土)~28日(日)
KENDAI Hand Embroidered Demonstration

2021年4月2日(金)~4日(日)
Inapot × Wood&Knot 『Plant Hanger』 CUSTOM ORDER

2021年4月14日(水)~4月25日(日)
@ビームス ジャパン 1F