着なくなった洋服、どうしている? 洋服のリサイクルの基本をわかりやすく解説

リサイクル 服

着なくなってしまった洋服、ただ捨てるのはもったいないと思いませんか? 洋服のリサイクルは資源の節約、ごみ処理量の抑制など多くのメリットをもたらします。この記事では、洋服の賢い処分方法として、リサイクルの重要性と具体的な方法についてご紹介します。地球環境にも優しくできるリサイクルの取り組みへ、最初の一歩を踏み出しましょう。

洋服のリサイクルの定義

そもそも洋服のリサイクルとは、具体的にどのような取り組みを指すのでしょうか。似たような取り組みと対比しながら、説明していきます。

洋服をリペアして長く使う

リサイクルやリユースの前に、ごみを減らすという意味ではリペア(Repair)が重要な取り組みです。
洋服に穴が空いてしまったり、デザインが気に入らなくなったりすることもあるはず。そのようなときに洋服を捨ててしまうのではなく、穴を塞いだりリメイクしたりして長く着用する取り組みがリペアです。なお2023年、フランスではリペアに対して費用を支援する制度が開始されるなど、重要な取り組みとして注目されています。

古着として着まわすリユース

リサイクルをする前に、二酸化炭素排出量が少ないリユース(Reuse)による活用があります。リサイクルが新しい製品に生まれ変わらせるのに対して、リユースは製品の形を変えずに再度利用することです。洋服をリユースする取り組みには、不要になった洋服を親戚にあげたり、フリマサイトやリユースショップで販売したりすることがあげられます。

原料に戻すリサイクル

リペアやリユース等で活用した選択肢の最後に、処分ではなくリサイクルという選択肢があります。
リサイクル(Recycle)とは、不用品や廃棄物を原料として新しい製品に生まれ変わらせることです。繊維素材で作られた洋服が不要になった場合、リサイクルすることで新たな繊維製品の原料とすることができます。不要になった洋服をウエスやフェルトとして利用するカスケードリサイクルもありますが、できれば新たな洋服とする水平リサイクルが理想的な循環です。

洋服のリサイクルの現状

洋服のリサイクルはどの程度取り組まれているのかご存知でしょうか。まずはリサイクルの現状を把握してみましょう。

66%はごみとして処分

日本では不要になった洋服の66%は可燃・不燃ごみとして廃棄されています(2022年のデータ)。これらの洋服はほぼすべてが焼却・埋立施設で処分されているのです。なお、残りの34%のうち、リサイクルされるのが15%、リユース(海外輸出含む)されるのが19%となっています。

洋服のリサイクル率は15%

不要になった洋服の内、資源としてリサイクルされるのは15%に過ぎません。紙資源が約80%、スチール・アルミ缶が90%以上のリサイクル率であることを考えると、洋服のリサイクル率はまだまだ低いことがわかります。リサイクル率を向上させるためにも、一人ひとりの行動が重要になっています。

洋服をリサイクルする方法

洋服のリサイクル率を上げるためにも、個人レベルでも積極的に取り組むことが大切です。身近にあるリサイクルの機会をご紹介しましょう。

販売店の回収ボックス

一部の衣料品店では不要になった洋服の回収ボックスを設置している場合があります。新しい洋服を購入するついでに、不要な洋服を処分できる機会といえるでしょう。回収された洋服は故繊維事業者に回収された後、リサイクルやリユース、処分に選別されて活用されます。

自治体の古着回収

自治体によっては不要な洋服を回収する取り組みを行っている場合があります。この取り組みでも洋服は、販売店の回収ボックスと同様に故繊維事業者に回収されて利活用されます。まずは自身の住む自治体では、どのように古着回収が行われているか調べてみましょう。

まとめ

不要になった洋服を活用するには修復するリペアなどでなるべく長く着用し、要らなくなったら古着として使い回すリユースを行います。さらには原料として再資源化するリサイクルを行う事で二酸化炭素排出量を出来るだけ削減し、資源を有効活用する事が大切です。
洋服のリサイクル率が15%と低迷している現在、割合を向上させるために一人ひとりの取り組みが大切になっています。まずは近くの古着回収を調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。

ALL