廃プラとは?引き起こす問題や現状、そして解決方法をわかりやすく解説

廃プラとは

プラスチックは現代の私たちの生活に必要不可欠な素材です。しかし、廃棄されたプラスチック(廃プラ)は自然環境に対して負荷をかける原因にもなっています。
この記事では廃プラが引き起こす問題や、その現状について詳しく解説し、解決に向けた取り組みも紹介します。

廃プラの定義と問題点

そもそも廃プラとはどのようなものを指すのでしょうか。その定義や廃プラが引き起こす問題について解説します。

廃プラとは「廃棄されたプラスチックのこと」

「廃プラ」とは、一度使用されたプラスチック製品が、その役目を終えて廃棄されたものです。例えば、ペットボトル、食品トレー、レジ袋などが主な廃プラになります。世界的には廃プラの発生量は年々増加しており、廃プラが引き起こす問題も顕著になってきています。

廃プラの海洋流出問題

自然環境中に放出された廃プラは、主に河川を伝って海洋へ流出していきます。廃プラは自然界では分解されないため何年も海洋を漂い、時には生物の体内に取り込まれることもあるのです。
海洋生物もプラスチックは消化できないため、廃プラが原因で死亡してしまう事例も確認されています。また、波や紫外線によって細かく砕かれた廃プラはマイクロプラスチックとなって生物に取り込まれ、巡り巡って私たちの体の中にも蓄積されているともいわれています。

地球温暖化への影響

廃プラ問題は地球温暖化とも密接に結びついています。主要なプラスチックは化石資源を原料としているため、製造過程でも温室効果ガスが排出されます。廃プラが埋立・焼却処分される際にも温室効果ガスが排出されるため、地球温暖化を加速させる原因にもなっているのです。

廃プラ問題の現状

廃プラはさまざまな問題を引き起こしますが、現在はどのような状況になっているのでしょうか。

廃プラの発生量

日本国内だけでも廃プラの発生量は年間823万トン(2022年のデータ)※といわれています。
廃プラは家庭などから出る一般廃棄物と、事業所や工場などから出る産業廃棄物のどちらからも排出されますが、その割合はおおむね半々です。なお、直近2020年~2022年の3年間をみれば、日本国内の廃プラの発生量はほぼ横ばいの状況になっています。

廃プラのリサイクル率

廃プラの処分方法には、埋立・焼却処分される場合とリサイクルによって再生利用される場合があります。日本の廃プラのリサイクル率は87%(2022年のデータ)※といわれています。
しかしその大半は、燃料として利用するサーマルリサイクルです。資源を循環させるためには、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの比率を増やしていくことが大切です。

廃プラ問題解決の取り組み

廃プラ問題を解決するにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。すぐにでもできる対策をピックアップしました。

3R+Renewableの推進

3R+Renewableとはリデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)のイニシャルを取った「3R」に、プラスチック製品を再生素材や再生可能資源に適切に切り替えるリニューアブル(Renewable)を加えた言葉です。廃プラ問題を解決に導くには、まずはリデュースやリユースによって廃プラの排出量を減らし、それでも減らせない場合に、リサイクルを適用していくことが求められています。

また、再生素材や再生可能資源を用いたリニューアブルも大切な試み。なお、「エコペット」も廃ペットボトルや繊維くずなどを原料にした再生素材です。
以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

自然環境の廃プラを回収

これから排出する廃プラの量を減らしていくだけではなく、すでに自然環境に放出されてしまっている廃プラを回収することも大切なアクションです。道端に落ちているごみ、海岸に漂着したごみを拾うなどの活動が重要。地道な活動に見えるかもしれませんが、多くの場所や人が同時に行うことで大きな効果を得ることができるはずです。また、より効率的に回収する技術の開発も求められています。

まとめ

プラスチックは生活に必要で便利な素材だからこそ、廃棄するときには注意しなければなりません。廃プラを減らしていくためには、基本となる3Rに準拠した活動を継続することが大切です。また、素材自体を変更するリニューアブルの考え方も広げていく必要があるでしょう。私たちの社会が将来も持続していけるように、廃プラを一つ拾うことから初めてみてはいかがでしょうか。

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