再生素材(リサイクル素材)とは?うまく活用してサステナブルな未来を実現!

再生素材

現在、私たちの住む地球では地球温暖化や資源の枯渇、大量のごみ問題など多くの環境問題が山積みになっています。 そのような中でサステナブルな未来を実現するためには、人や環境に配慮した素材を活用していくことが大切。その中でも、例えば再生素材は多くの環境問題を解決しうる素材の一つです。

この記事では再生素材の種類や作られ方などについて、詳しく解説しています。

再生素材(リサイクル素材)とはどんなもの?

そもそも再生素材(リサイクル素材)とはどのような素材のことを指すのでしょうか。定義や目的を解説します。

廃棄予定の製品が原料

再生素材とは、従来のプロセスでは廃棄される予定であった製品や製造工程で出た端材などをリサイクル処理して作られた素材のこと。素材を作るために新たな資源を消費する必要がなく、また、ごみの削減にも貢献できる素材の一つです。

主な再生素材には「再生紙」「再生プラスチック」など があります。 再生紙は昔から多くの取り組みがありますが、最近では特に再生プラスチックに注目が集まっています。

循環型社会・経済を実現

再生素材が注目される背景には、プラスチックごみ排出量の増加があります。日本では1993年に制定された環境基本法の中で再生資源について記載され、2000年制定の循環型社会形成推進基本法で利用促進が謳われていました。プラスチック資源を循環させるために、素材そのものを再生素材などに抜本的に変えていくことが求められています。

さらに、場合によっては 再生素材を使用した後に、もう一度リサイクルして新たな素材に生まれ変わらせることも。そうして新たな資源の消費量を抑えながら、すでにある製品を有効利用して付加価値を生み出していくことで、将来的には循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現を目指すことも可能です。

再生素材(リサイクル素材)の作られ方

再生素材はどのようにして作られるのでしょうか。大きくわけて2つの作り方(リサイクル方法)があるため、それぞれについて解説します。

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルとは廃棄物を原料として再利用し、新たな製品に再生する方法のことです。 従来、古紙を再生紙に再生したり、廃アルミ缶を新たなアルミ缶に再生したりといったマテリアルリサイクルは行われていました。

最近注目が集まるプラスチック製品のマテリアルリサイクルには、廃ペットボトルからパレット(荷役台)や卵パックなどを生産したり、廃ペットボトルをペレット化した上でポリエステル繊維を生産したりする方法があります。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとは廃棄物を化学的に分解し、 原料として再利用する方法を指します。例えば、分解し化学製品に利用できる合成ガスへ転換する「ガス化」、化学分解して油を製造する「油化」、コークスの代用とする「高炉原料化」 、化学分解して元の製品原料やモノマーに戻す「原料・モノマー化」があります。

マテリアルリサイクルは元の素材に対して物性が落ちるケースがあるのですが、ケミカルリサイクルであれば元の素材と同等の性能の製品が得られやすいことがメリットです。

一方で、エネルギー使用量やコストが高いことがデメリット。しかし、今後の技術開発やリサイクル比率の拡大に伴って 解決される可能性のある課題といえます。

まとめ

再生素材は資源の枯渇対策や 、ごみ問題を抑制できる可能性を秘めた素材です。デメリットがないわけではありませんが、新たな技術開発の中で徐々に 解決されていくでしょう。

サステナブルな社会を実現するためには、多くの製品に再生素材が活用されることが望まれています。

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