再生プラスチックとは?メリット・デメリットや製品例をわかりやすく解説

再生プラスチック

日常生活に欠かせないプラスチックですが、膨大な量のプラスチックごみは国際的な問題となっています。
そこで今、注目されているのが再生プラスチックです。この記事では、再生プラスチックの概要やメリット・デメリット、製品例を解説します。

再生プラスチックとは

そもそも再生プラスチックとはどのようなプラスチックなのでしょうか。ここでは、再生プラスチックの概要を解説します。

再生プラスチックとは、一度使用されたプラスチックを、リサイクルによって再度作り直されたプラスチックのことです。既存のプラスチック製品を原料として活用するため、プラスチックの原料である石油の使用を抑えられます。

プラスチックの二つのリサイクル方法

再生プラスチックは、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルによって作られます。ここでは、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの概要を紹介します。

・マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、廃プラスチックを新たな製品の原料にする方法です。
一般的には、樹脂の選別や不純物を取り除いた後に、粉砕・洗浄し、フレークやペレット状にしたものを原料とします。

・ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを化学的に分解し、原料にする方法です。
ガス化や油化、原料・モノマー化などの手法で原料にしたうえで、再利用します。

再生プラスチックのメリット

再生プラスチックを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは再生プラスチックのメリットを解説します。

企業であれば、顧客や取引先に環境への取り組みをアピールできる

環境への取り組みを推進していると、社会的役割を果たしている企業としてポジティブな印象を与えられます。国内だけでなく、国際的にもプラスチックの3Rは積極的に取り組むべき課題とされています。そのため、海外進出する際にも再生プラスチックの利用は自社の強みとなるでしょう。

また、消費者の環境への意識も高まっていることから、自社の競争力の強化も期待できます。

新たな資源として確保できる

日本はプラスチックの原料である石油を約99%輸入に頼っています。※1 そのため、輸入できなくなった場合には石油を利用した製品の供給が止まってしまうでしょう。

再生プラスチックを確立できれば国産の資源として活用できるため、日本の国力向上にもつながります。

プラスチック廃棄にかかるコストを削減できる

中国の廃プラスチック輸入規制がはじまった2017年と2022年で比較すると、中間処理業の69.8%、最終処分業の56.3%の処理費用が増加しています。※2 そのため、プラスチックの廃棄にかかるコストが高くなっており、負担を感じている企業も多いでしょう。

再生プラスチックがより普及することで、廃棄にかかるコスト負担を軽減できます。
また、廃棄焼却による二酸化炭素の排出も削減できるため、温室効果ガスの排出も抑えられます。

再生プラスチックのデメリット

メリットが多い再生プラスチックですが、デメリットはあるのでしょうか。ここでは再生プラスチックのデメリットを紹介します。

品質の均一化が難しい

マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの条件には、単一素材であることが挙げられます。そのため、分別や異物除去が欠かせません。
不純物が混ざらないようにするには、新しいシステムや設備、分別方法が必要になることもあります。

生産にコストや工数がかかる

廃プラスチックから製品をつくるため、原料まで戻したうえで加工が必要になります。また、廃プラスチックの洗浄が必要になるため、そのためのシステムや工数も必要です。

こうした理由から再生プラスチックはコストが高くなりやすく、企業への負担がかかります。

再生プラスチックの製品例

それでは最後に、再生プラスチックの製品例として、帝人フロンティアが開発した「エコペット」を紹介します。

帝人フロンティア「エコペット」

「エコペット」は、リサイクルポリエステル繊維です。使用済みペットボトルや廃棄予定のポリエステル繊維くず・衣料品を資源とし再利用しているため、環境にやさしい素材に仕上がっています。また、「エコペット」にすることで石油由来の原料を使用したポリエステルに比べ、二酸化炭素の排出量削減にも貢献できます。

リサイクルポリエステル繊維ではありますが、従来の石油由来のポリエステル繊維と変わらない高いクオリティを保持。吸汗・速乾性や保温性などの機能性や快適素材といった豊富な原糸と原綿のバリエーションを取りそろえています。

こちらの記事では“BASIC & EXCITING”をテーマに、日常に馴染むメンズのカジュアルウェアを提案するBEAMSレーベルの「エコペット」を使用したアイテムが紹介されています。

上品な質感でありながらシワになりにくいイージーケアな開襟シャツや、夏にぴったりな薄手のデニムパンツなど、魅力的なアイテムばかりですのでぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

まとめ

再生プラスチックは、本来廃棄されるはずだったプラスチックを新たな製品として生まれ変わらせたものです。深刻化するプラスチックごみ問題を解消するためには、リサイクルにより持続可能な素材として有効活用することが重視されています。

再生プラスチック製品を選ぶだけでも、自然環境を守ることにつながります。この機会にぜひ、購入する商品の素材にも目を向けてみてはいかがでしょうか。


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