サステナブルとは?SDGsとの関係や取り組み事例をわかりやすく解説

サステナブルとは

近年、テレビやWebなどで「サステナブル」という言葉を見かける機会が増えてきました。なんとなく環境に良いイメージを持っていても、具体的な意味を知らずにいる人もいるのではないでしょうか。「サステナブル」への理解を深め、できるところから取り組んでみましょう。この記事では、「サステナブル」の意味やSDGsとの関係、取り組み事例を解説します。

サステナブルとは

サステナブルとは「sustain(持続する)」と「able(できる)」を組み合わせた単語で、「持続可能な」という意味があります。

本来は「維持できる」「耐えうる」などを意味していましたが、近年は地球環境や人間社会の経済システムなどに対する持続可能性を示す言葉として使われるようになりました。

サステナブルが注目されている背景

サステナブルが注目されている背景にあるのは、近年の地球環境や社会が抱えている問題です。

人口は増加し続けており、それに伴ってさまざまな分野での開発が進められてきました。しかし、開発したモノを消費するだけの状態を続けた結果、地球温暖化をはじめとする地球規模の気候変動が起こり、各国の異常気象や農産物の収穫量・品質の低下といった悪影響へとつながっているのが現状です。

そうした事態の解決策として、サステナブルなあり方が注目を集めています。

サステナブルとSDGsの関係

「サステナブル」と合わせて耳にすることの多い言葉に「SDGs」があります。その2つはどう関係しているのでしょうか。

SDGsの正式名称は「Sustainable Development Goals」で、日本では「持続可能な開発目標」と訳されるのが一般的です。現在の地球が抱えている課題を経済や自然環境など17の分野に分け、どのような状態にすべきかを示しています。

つまり、サステナブルな未来を実現するための具体的なアクションがSDGsなのです。

企業が行うサステナブルな取り組み事例

サステナブルを実現させるため、世界中でさまざまな取り組みが行われています。ここでは、おもに企業レベルの取り組み事例を3つ紹介します。

サステナブルファッション

ファッション産業は大量生産で多くの資源やエネルギーを使用するだけでなく、着用されてから廃棄される量も多いため、環境への負荷が大きくなっています。

そのため、近年広がりをみせているのが、洋服の生産・着用・廃棄の各工程でサステナブルを意識したファッションです。

日本でも、2020年度から国内で消費される洋服と環境負荷に関する調査を環境省が実施し、サステナブルファッションの普及に努めています。

サステナブルフード

サステナブルフードとは、自然環境や人々の生活に配慮したうえで生産・流通される食品のことです。配慮の内容には、生産地の自然環境の保護、生産者の収入の安定化や人権保護、トレーサビリティの確保などがあります。

具体例として、畜産肉の代わりとなる「代替肉」や認証コーヒー、サステナブル・シーフードなどが挙げられます。企業ごとに配慮しているポイントが異なるため、利用する際は自分の意向に沿う企業の食品を選ぶようにしましょう。

サステナブルトラベル(サステナブルツーリズム)

地域の文化や自然環境に配慮しながら旅行を楽しむ「サステナブルトラベル(サステナブルツーリズム)」も、企業で広がっている取り組みの1つです。サステナブルトラベルは、「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」を指します。※1

観光客が過剰に集まることは、観光資源の劣化や住民の生活環境の悪化などが発生する要因でもあります。そのため、スーツケースを預けて観光する「手ぶら観光」を推奨したり、入場制限で観光客の集中を防いだりする取り組みが行われています。

個人でも実践できるサステナブルな取り組み

サステナブルな取り組みは、個人が身の回りの生活を少し意識するだけでも十分可能です。ここでは、個人でもできるサステナブルな取り組み事例を3つ紹介します。

リサイクル原料で作られた製品を選ぶ

リサイクルが難しい製品が過剰に生産されると資源の枯渇につながるうえ、適切に廃棄されず海へ流出すると、海洋環境にも悪影響をおよぼします。

環境に配慮したリサイクル原料で作られた製品を選ぶことは、サステナブルな取り組みといえるでしょう。具体的には、再生紙で作られたトイレットペーパーや不要になったペットボトルや衣料品や工程屑などを原料として作られた洋服などの製品が挙げられます。

シェアリングサービスを利用する

サステナブルファッションでも触れたように、大量生産されたものは大量廃棄につながりやすいです。しかし、自分が不要と感じるものでも、他に必要とする人がいるかもしれません。そのため、不要になったからすぐ廃棄ではなく、シェアして他の人に使ってもらえないかと考えることが重要です。

使わない服やコスメ、本などは、フリマアプリやリサイクルショップ、店頭にある回収ボックス、自治体による回収に出すのがよいでしょう。そのほか、使用頻度の低い車をカーシェアリングしたり、家庭で食べ切れない物をフードバンクに寄付したりする方法もオススメです。

サステナブルな取り組みをしている企業を応援する

前述したようなサステナブルな事業を行なっている企業を意識的に利用するのも、個人でできるサステナブルな取り組みといえます。

企業が取り組みを続けていくには、資金や世間からの支持が不可欠です。消費者が企業の製品やサービスを使うことで、その両方をカバーできます。

製品やサービスを継続的に利用するほど応援の力は大きくなるため、自分が共感を持てる取り組みを行っている企業を選ぶのがよいでしょう。

まとめ

「サステナブル」は、現在の地球や社会が抱えている課題の解決につながる重要な取り組みです。それ以外にも、実践することにはさまざまなメリットもあるため、「サステナブル」についての理解を深めるとともに、自分ができるところから取り組みを始めてみましょう!

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