サステナブル素材の種類や特徴、メリットデメリットまで詳しく解説

サステナブル

「サステナブル素材」という言葉を耳にしたことはありますか?
「サステナブル」とは、英語の「Sustainable」のことで「持続可能な」という意味です。
日常生活でもよく聞くようになったサステナブル素材ですが、持続可能な素材とは一体どういったものなのでしょうか?
なんとなく環境によさそうな素材ということは知っているけれど、詳しくは知らないという方。ぜひこの機会にサステナブル素材に対して理解を深めてみませんか?

サステナブル素材とは?

サステナブル素材とは、私たちを取り巻く社会や環境問題に配慮された素材のことをいいます。
「持続可能な素材」ということは、地球環境に負担をかけないことはもちろん、生産者も適正な労働条件で働き続けられるということです。
特にファッション産業は、環境負荷が大きい産業だと指摘されていて、国際的な課題となっています。
サステナブル素材はそういった問題をふまえ、地球と私たちを含めた生物たちの未来が、快適で安心して暮らしていけることを考えてつくられた素材だといえるでしょう。

サステナブル素材のメリット

サステナブル素材は地球に優しい素材なので、サステナブル素材の商品を選択することで、環境問題対策に繋がります。
サステナブル素材を使った製品が売れると、開発した企業に貢献することにもなり、今後の研究や開発への大きな支援となります。

サステナブル素材のデメリット

サステナブル素材は生産時に手間やコストがかかってしまうため、製品の価格が高くなってしまう傾向にあります。
しかしサステナブルな取り組みに共感した購入者が増えれば、開発も進み、将来価格も抑えていける可能性も秘めています。

サステナブル素材の種類

サステナブル素材と呼ばれているものは、たくさんの種類があるのはご存じでしょうか。
ここでは8種類の素材を紹介します。

オーガニックコットン

コットン

オーガニックコットンは、農薬や化学肥料を使わずに栽培された綿花のことで、認証機関が定めた条件をクリアしたものだけがオーガニックコットンを名乗ることができます。
生産工程において、環境に対する負荷や化学薬品による健康被害などを最小限におさえていること、児童労働や労働者の安全がきちんと守られていることなどが条件に含まれています。

バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックとは、動植物を原料とした再生可能な有機資源のことです。
トウモロコシやサトウキビなどを原料にしているので、焼却した際に出る二酸化炭素は、光合成の際に吸収したものを排出していると考えられており、これをカーボンニュートラルといいます。

再生セルロース繊維

セルロースとは植物を原料とした繊維で、レーヨン、リヨセル、ポリノジック、キュプラなどがあります。
石油を原料につくられている繊維は、資源の枯渇や焼却時の二酸化炭素排出などの問題がありますが、セルロースは植物性のため生分解性があり、土に埋めると堆肥化するというメリットもあります。

再生ポリエステル繊維

リサイクルポリエステルとも呼ばれており、廃棄予定のペットボトルや繊維くずを再生し、新たな繊維として活用したものです。
海洋汚染の原因となっているプラスチックごみを減らし、ポリエステルの主な原料となる石油の使用や、廃棄する際の二酸化炭素排出量を減らすことができるといった特徴があります。

アニマルフリー素材

非動物性の素材のことで、ヴィーガンレザーが特に有名です。
動物の皮を一切使わず、りんごやパイナップルの葉、きのこやサボテンを原材料に作られ、まるで本革のような質感が特長です。
環境問題だけでなく、動物愛護に関心のあるユーザーからも注目されている素材のひとつです。

フェアトレード素材

フェアトレードとは開発途上国で生産された原料や製品を適正な価格で売買することで、公正な貿易を実現し、生産者が貧困に困ることがないよう自立を支援する取り組みのことです。
安く輸入している商品の背景には、正当な報酬が支払われていなかったり、人体に有害な農薬が使われたりと、生産者側の犠牲が問題とされてきました。
フェアトレード素材はこのような問題を重要視し、持続可能な社会をつくっていくために生まれた素材で、先述したオーガニックコットンもフェアトレード素材のひとつです。

アップサイクル素材

アップサイクル素材とは、廃棄物や不用品を加工し、アップグレードしてより価値を高めた素材のことです。
リサイクルは一度細かく粉砕したり、溶かしたりしてから新しい素材に生まれ変わるのに対し、アップサイクルは分解はせずにその素材の特長を活かしつつ新しい製品を作り出します。

無水染色素材

水を使わずに染色された素材のことで、水の代わりに超臨界流体CO₂を使って染色した素材などがあげられます。
染色時に使われる大量の水や、廃水の処理などの問題を改善できるため、環境に配慮した素材であるといえます。

サステナブル素材「エコペット」

「エコペット」とは、帝人フロンティアが開発したリサイクルポリエステル繊維です。
「エコペット」の原糸は、繊維形状や細さ、コンジュゲートによってさまざまな機能性を持たせることができるのが特徴です。
プラスチックは今や私たちの生活に欠かせない存在ですが、海洋汚染、資源枯渇やCO2増加などの問題は、今後の大きな課題でもあります。
地球と共存するポリエステル繊維を実現するために、今後も進化をし続ける未来ある素材。それが「エコペット」です。

こちらの記事では、人気ブランド「ナノ・ユニバース」による「エコペット」を使用した、ビジネスにも使える上品さとカジュアルな雰囲気を併せ持つバッグが2種類紹介されています。

「マルチポケットトートバッグ」と「マルチポケットバックパック」は、機能性とルックスを兼ね備えた大変人気のアイテムです。

サステナブル素材を選んで、環境に優しい持続可能な未来を

国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、アパレル業界は毎年930億㎥と推計される水を使用し、石油300万バレルに相当するプラスチック素材を海洋に投棄しているといわれています。
今すぐにこの問題を解決することは難しいですが、私たちが買い物をする際に「エコペット」などのサステナブル素材を選ぶだけで、地球に優しい行動のひとつになります。
ひとりひとりの行動が、地球に優しい、持続可能な未来のための一歩へと繋がっていくのです。

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